化学放射線療法を施行した膠芽腫の MRI による治療効果判定ならびにMRI による予後予測に関する研究(JCOG0911A2)

「化学放射線療法を施行した膠芽腫の MRI による治療効果判定ならびにMRI による予後予測に関する研究(JCOG0911A2)」について

1.研究の対象
JCOG0911「初発膠芽腫に対するインターフェロン-β+テモゾロミド併用化学放射線療法のランダム化第 II 相試験(JCOG0911)」(C0420)に参加して治療を受けられた患者さん

2.研究目的・方法
研究の概要:
JCOG0911 では膠芽腫という脳腫瘍に対し、当時の標準治療と考えられていた放射線治療とテモゾロミドという抗がん剤治療に、インターフェロンβを追加することでより良い治療効果が得られるのかどうかを調べました。その結果、放射線治療とテモゾロミドにインターフェロンβを併用することによる治療効果の改善は認められませんでしたが、その一方で患者さんの治療内容や治療経過を詳細に記録・収集することができました。
膠芽腫の治療や病状の把握には頭部 MRI が頻用されます。頭部 MRI は脳の変形や組織の変化を詳しく画像化できるため、膠芽腫の病状進行をもっとも正確に診断できるとされています。しかしながら、現在の放射線画像診断技術は決して満足できるものではなく、より一層の技術開発研究が必要な状況です。
このような背景のもと、JCOG0911 で撮影された頭部 MRI を、現在最先端とされる画像解析技術で再度解析し、膠芽腫の治療で効果が得られるかどうかを予め頭部 MRI 画像から予測できないか調べる、あるいは病状の悪化をより正確に把握できるかどうかを調べる研究を計画しました。

研究の意義:
臨床現場での頭部MRI の画像診断は各主治医に委ねられており、その患者さんの予後がどれほど悪そうかという判断や、病変が再発しているかどうかという判断には、曖昧な部分が相当含まれているのが現状です。最近のコンピュータ技術や画像解析技術の発展により、頭部 MRI 画像をより客観的に評価・解析できるようになってきました。頭部 MRI 画像から膠芽腫患者さんの予想される予後に関する情報が得られたり、再発の診断を客観的に行うことができれば、一人一人の膠芽腫患者さんにあった治療や療養の提供ができるようになると考えられます。

目的:
この研究は以下の 3 つを目的としています。

• 最先端の画像解析技術であるRadiomics 解析を用いて、JCOG0911 で撮影された治療前の頭部 MRI 画像から膠芽腫の分子遺伝学的特徴や予後を反映する画像バイオマーカーを見出すこと。
• JCOG0911 当時に採用されていた膠芽腫の再発の診断規準(RECISTv1.0)が 2019 年現在では RANO 規準というものに変更されているが、この診断規準の変更が再発の診断にどれほどの影響を及ぼすのかを検討すること。
• JCOG0911 における膠芽腫の MRI の撮影条件を調査して、JCOG 脳腫瘍グループ参加施設で膠芽腫に対して行われていた頭部 MRI 検査の実態を明らかにすること。

方法:
この研究では JCOG0911 に参加していただいた患者さんの頭部 MRI 画像を収集し、
Radiomics 解析で画像解析を行って得られた解析結果と、JCOG0911 試験で取得された臨床情報(病状の経過など)との関係を明らかにします。また、収集した頭部 MRI 画像を、RANO 規準を用いて評価を行い、JCOG0911 で行った評価(RECISTv1.0)との違いを検討します。併せて、頭部 MRI 画像の施設毎の撮影条件を調査します。

研究実施期間:
研究許可日から 2024 年 3 月までを予定しています。

3.研究に用いる試料・情報の種類
情報:JCOG0911 で収集された頭部 MRI 画像や臨床情報、JCOG0911 登録番号 等試料:特になし

4.外部への試料・情報の提供
当施設から研究代表者等への MRI 画像、臨床情報の提供は、JCOG 登録番号を用いて、特定の関係者以外が個人を識別し得る情報にアクセスできない状態で行います。対応表は、当施設の研究責任者が保管・管理します。画像解析結果等のデータは研究事務局の施設で半永久的に保管されます。

5.研究組織
 研究代表者 大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科 木下 学
 研究事務局 大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科 木下 学
 共同研究者 京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座 伏見 育崇
 共同研究者 筑波大学附属病院 放射線科 増本 智彦
 JCOG(Japan Clinical Oncology Group:日本臨床腫瘍研究グループ)脳腫瘍グループ参加施設 http://www.jcog.jp/basic/partner/group/index.html

 JCOG 脳腫瘍グループ参加施設ではない医療機関(東京都立駒込病院、北野病院)

6.その他
『京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第7条第2項の研究データの保存、開示等について定める件 平成 27 年 7 月 30 日 研究担当理事裁定制定』の規定によ
り、京大病院で保存するデータ、各種記録の保存期間は当該論文等の発表後少なくとも 10 年とします。
この研究は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得て行われています。
この研究に関し、 国立がん研究センター研究開発費「成人固形がんに対する標準治療確立のための基盤研究」班、日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
「Radiogenomics による膠芽腫の臨床経過予測モデルの構築」を用いて実施し、企業や特定の営利団体からの資金提供などは受けておりません。
利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査・管理しています。

7.お問い合わせ先
ご希望があれば、他の患者さんの個人情報や研究に関する知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出ください。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方が拒否された場合、あるいは同意を撤回される場合には研究対象といたしません。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
本研究に関するご質問等がある場合や、研究への試料・情報の利用を拒否する場合には、下記の連絡先までお問い合わせください。
ただし、すでにこの研究の結果が論文などで公表されていた場合には提供していただいた情報や、試料に基づくデータを結果から取り除くことができない場合があります。なお、公表される結果には特定の個人を識別することができる情報は含まれません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先: 1.京都大学医学部附属病院 脳神経外科
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町 54 TEL:075-751-3459, FAX:075-752-9501
研究責任者 脳神経外科 特定講師 荒川芳輝

2.京都大学医学部附属病院 相談支援センター
TEL:075-751-4748 E-mail: ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

研究代表者ならびに研究事務局: 木 下 学
大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘 2-2 TEL:06-6879-3652
FAX:06-6879-3659