京都大学医学部附属病院 脳神経外科

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大型・血栓化脳動脈瘤に対するバイパス併用手術の長期成績に関する研究

1. はじめに
 この度、京都大学脳神経外科を主研究施設として上記表題の研究を行うにあたり、京都大学附属病院脳神経外科にて大型・血栓化脳動脈瘤に対するバイパス併用手術を施行された患者さんの個人情報および検査情報を利用いたします。詳細は下記の通りです。本研究の目的と主旨をご理解いただき、ご承諾いただきますようお願い申し上げます。
 この研究は、国立循環器病研究センター(研究分担医師:脳神経外科・部長・髙橋 淳)との共同研究として行われます。
この研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けています。
 
2. 研究の目的
脳動脈瘤はくも膜下出血の原因となる疾患であり、一定以上の破裂危険性を有する未破裂脳動脈瘤は外科治療の対象となります。通常の脳動脈瘤は開頭クリッピング術や血管内治療にコイル塞栓術により治療を行いますが、10mm以上の大型脳動脈瘤や血栓化動脈瘤に対してはこれらの標準治療による治療が不可能なことが多く、バイパス術と母血管の閉塞が治療法として選択されます。京都大学附属病院でも、クリッピング術やコイル塞栓術で治療することができない難治性の大型・血栓化脳動脈瘤に対して、この手術を行ってきましたが、バイパス術を併用した術式を開発し、その術式で多くの症例の治療を行ってきており、一定の治療効果や安全性が確認されていますが、その長期成績については明らかでない部分があります。
 この研究は、大型・血栓化脳動脈瘤に対するバイパス併用手術の長期成績を調査する目的で行われます。

3. 研究の方法
 2003年1月~2012年12月の間に、京都大学附属病院に未破裂脳動脈瘤で入院し、バイパス術を併用した母血管閉塞術を受けた患者さんを対象として、これまでの通常診療で得られた下記の情報を利用します。

・年齢、性別、脳動脈瘤の部位・大きさ・血栓化の有無、併存脳動脈瘤の有無、術式

・周術期合併症、術後の日常生活動作

・最終受診時の動脈瘤の大きさ・血栓化・破裂の有無・日常生活動作、観察期間 

以上の情報は個人が同定することができないように匿名化した後に、京都大学の研究事務局で解析を行います。
 この研究では、以上の情報から、大型・血栓化脳動脈瘤に対するバイパス併用手術の長期成績や手術成績を明らかにし、その予後が不良になる因子を明らかにします。

4. 研究へのご参加
 この研究は、2003年1月~2012年12月の間に京都大学附属病院脳神経外科に未破裂脳動脈瘤で入院し、バイパス術を併用した母血管閉塞術を受けたすべての患者さんに参加をお願いしています。
 不参加の意思はいつでも表明していただくことが可能です。研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される情報の利用又は他の研究機関への提供を停止することができます。その場合、解析がすでに行われていた場合で、かつ結果が未公表である場合には利用した情報および解析結果につきましては破棄いたします。不参加の意思を表明しても、患者さんに不利益を生じる事はありません。

5. 研究期間
 この研究の研究期間は倫理審査承認日から2022年3月31日までになります。

6. 情報の取り扱い
 研究対象者の個人情報を保護するため、研究対象者に関わるデータを取り扱う際は研究対象者の秘密保護に十分配慮し、下記の対応を順守します。
 研究で取り扱う個人情報は、症例登録時に本研究固有の識別番号を付した対応表を作成することにより匿名化し、対応表を用いて管理します。
 対応表は、文部科学省・厚生労働省作成 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に準拠のうえ、遅くとも解析開始前および外部研究機関への提供前には研究等個人情報管理室へ提出します。それまでは各施設の管理責任者(京都大学では片岡大治)の責任の下、各施設で保管します。
 研究開始後に研究に対する不参加の意思が表明されれば、当該患者について本研究目的で収集したデータは廃棄します。
 共同研究機関に情報を提供する際には、匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目及びその提供方法について公表するとともに、当該他の研究機関に対して、当該提供に係る情報が匿名加工情報である事を明示します。
 結果を学術的な目的以外に使用することはありません。本研究の成果は、個人が特定できない形で公開をされる事になります。個人の解析結果につきましてのご質問には回答できません。
 研究成果を原著論文にて公表し、当該論文が公表された後10年間にわたり研究成果の元データとなる情報を保存します。
 情報・研究の結果については、電子データ化され研究者所有のハードディスク内にパスワードで第三者が閲覧できないように制限した状態で保管します。
 保管期間または研究終了後は、情報は格納しているハードディスクの物理的破壊等将来的に再現できない状態で廃棄します。

7. 研究計画書や研究手法に関する資料の入手と閲覧
 この研究の研究計画書については、ご希望があれば他の研究に参加いただいた方の個人情報保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で開示させていただきます。その場合は、下記問い合わせ先にあります担当者にご連絡を頂ければ、後日研究責任者から担当者を介して資料を提供させていただきます。

8. この研究についてのお問い合わせ
 この研究についてのお問い合わせやご相談は下記までお願いいたします。

研究事務局:片岡大治 (京都大学 脳神経外科 講師) 
〒606-8507 京都市左京聖護院川原町54
京都大学 脳神経外科
Tel 075-751-3459 Fax 075-752-9501
  E-mail kataoka@kuhp.kyoto-u.ac.jp

病院のお問い合わせ窓口
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
 (Tel)075-751-4748
 (E-mail)ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

9. 研究組織
 この研究の研究組織は以下のようになっています。
研究責任者:宮本 享 (京都大学 脳神経外科 教授) 
研究担当医師:片岡大治 (京都大学 脳神経外科 講師)
情報管理責任者:片岡大治 (京都大学 脳神経外科 講師)
研究分担医師:
吉田和道 (京都大学 脳神経外科 講師) 
髙橋 淳 (国立循環器病研究センター 脳神経外科 部長)