脳腫瘍の発生・進展に関与する遺伝子変異・多型・発現様式に関する研究、および病理診断のための分子遺伝学的解析

「脳腫瘍の発生・進展に関与する遺伝子変異・多型・発現様式に関する研究、および病理診断のための分子遺伝学的解析」
協力のお願い
はじめに
 脳腫瘍は発生するメカニズム、経過,予後、発生や進展に関わる遺伝子の変異など、まだ知られていないことが数多く存在すると考えられています。
脳腫瘍の中でも頻度の高い膠芽腫は、全身のあらゆる腫瘍のうちで最も経過が不良です。
近年、分子遺伝学という研究で、膠芽腫は単一の腫瘍型ではなく、種々の悪性グリオーマと呼ばれる型の集合体であることが示唆され、そのなかで治療に対する効果や予後が不良なグループを分離できる可能性が指摘されています。
一方、脳腫瘍の型が豊富であるため、個々の腫瘍型に限れば、発生頻度はかなり低いものとなり、一施設の研究では十分な研究成果が得られにくいという問題もあります。
そこで、今回、全国の脳腫瘍を専門とする病院から、患者さんの病気に関する情報と、手術により摘出された組織の一部を、一箇所(群馬大学)に集め、脳腫瘍の発生・進展に関わる遺伝子変異・多型・発現様式の検討、ならびに病理診断をするための分子遺伝学的解析を行う研究が計画されました。

対象となる患者さん
 これまで当院で1985年4月1日から2019年2月28日までに脳腫瘍に対して外科的治療を行った患者さんが対象となります。
全体として約500名、当院では約20名を対象と致します。
年齢の制限は設けておりません。

研究実施施設
 京都大学医学部附属病院 脳神経外科 荒川 芳輝(研究責任者)
 群馬大学大学院医学系研究科 病態病理学分野 横尾 英明(研究代表者)
 
研究内容
1.対象患者さんの年齢・性別・発生部位・治療法・経過などの診療情報を収集します。
2.手術で切除された組織のうち、当院で診断に用いた残りの組織の一部を群馬大学に提供します。
3.群馬大学では、いろいろな手法を用いて遺伝子の変異・多型・発現様式などの分子遺伝学的解析を行います。

予想される不利益(負担・リスク)及び利益
 以上の方法で検索を進める予定ですので、本研究を行うことで患者さんに通常診療以上の金銭的あるいは肉体的なご負担が生じることはありません。
本研究により研究対象者となった患者さんが直接受けることのできる利益及び不利益(リスク)はありませんが、将来、研究成果は脳腫瘍と関係のある遺伝子の構造や働き、発現様式の解明及び新しい治療法や診断法の発見の一助になり、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

患者さんの個人情報の管理について
 患者さんの情報は匿名化させていただき、個人情報の保護に務めます。本研究実施過程およびその結果の公表(学会発表や論文など)の際に、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。ただし検索した遺伝子異常の情報が診療上、必要とされる場合は主治医を通じてお伝えすることも可能です。

不利益の排除
 余分な組織切除を受けることはなく、提供を拒否された方にも最善の治療がなされます。

試料・情報の保管及び廃棄
ご提供いただいた組織は、発表した結果の確認や追加解析の必要性が生じた場合に備え、研究終了後も永久的に群馬大学大学院医学系研究料病態病理学分野で保存されます。また、将来の研究に使わせていただく場合があり、研究終了後、本研究と同様の目的で行われる研究が計画されれば、適切な手続きの後に、保存された組織が活用される可能性があります。
なお、そのような場合には、あらたに研究計画を策定し、適切な倫理審査を受け、許可されてから実施致します。
 一方、組織は研究責任者の判断により、必要に応じて廃棄される場合もあります。具体的には、検体番号が読みとれなくなった場合など研究責任者が必要と認めた場合などです。廃棄に当たっては、あらかじめラベル等に書かれた情報は完全に除去した上で廃棄します。
 なお、組織および情報の一部は、解析のために共同研究施設であるカナダのHospital for Sick Childrenへ送付・保管される可能性があります

研究成果の帰属について
本研究により得られた結果が、特許権等の知的財産を生み出す可能性がありますが、その場合の特許権等は研究者もしくは所属する研究機関に帰属することになり、ご提供いただいた患者さんにこの権利が生じることはありません。

研究資金について
本研究は、群馬大学医学部の人を対象とする医学系研究倫理審査委員会、並びに京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得て行われます。
本研究は、群馬大学大学院医学系研究科病態病理学、病態腫瘍薬理学、脳神経外科学の研究費、および厚生労働省、文部科学省等からの研究助成金によってまかなわれます。

利益相反に関する事項について
研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨床研究の結果の公表が公正に行われないのではないか(企業に有利な結果しか公表されないのではないか)などといった疑問が生じることがあります。これを利益相反(患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反している状態)と呼びます。
本研究に関し、企業や特定の営利団体からの資金提供などは受けておりません。
本研究の利益相反については、群馬大学利益相反マネジメント委員会の承認を得ております。また、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査・管理しています。

参加の拒否および承諾後の撤回
 これまで脳腫瘍の治療を受けられた患者さんで本研究に参加を拒否される方は以下のお問い合わせ先までご連絡ください。
患者さんの情報や組織を提供する前もしくは提供後でも解析前でしたら、研究には使用致しません。また、検体提供の承諾後でもこの承諾はいつでも撤回できます。

被験者からの相談への対応
 患者さんの求めに応じて、他の被験者等の個人情報等の保護及び研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を書面にて開示します。ご希望される方は下記問い合わせ先までご連絡ください。

研究期間
 承認日以降 〜 2022年3月31日

その他
 『京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第7条第2項の研究データの保存、開示等について定める件 平成27年7月30日 研究担当理事裁定制定』の規定により、京大病院で保存するデータ、各種記録の保存期間は当該論文等の発表後少なくとも10年とします。

問い合わせ先
【本研究に関する問い合わせ先】
研究責任者:京都大学医学部附属病院 脳神経外科 荒川 芳輝
メールアドレス: yarakawa@kuhp.kyoto-u.ac.jp

研究代表者:群馬大学大学院医学系研究科 病態病理学分野 横尾 英明
メールアドレス: hyokoo@gunma-u.ac.jp

【病院の相談窓口】
相談支援センター
TEL:075-751-4748  E-mail: ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp