VertebroBasilar Dolichoectasiaの自然歴および外科的治療の成績に関する多施設共同登録研究
椎骨脳底動脈延長拡張についての多施設共同観察研究実施に関するお知らせ
現在、当院では下記の臨床研究を行っています。
●研究課題名
VertebroBasilar Dolichoectasiaの自然歴および外科的治療の成績に関する多施設共同登録研究
●研究の目的と意義について
椎骨脳底動脈拡張延長(VBD)は脳動脈瘤の一型であり、発生頻度は脳動脈瘤の中の0.07-0.1%と極めて稀です。VBDは名前が示す通り、主に脳底動脈という脳幹を栄養する血管が拡張し、また高度に蛇行します。この拡張蛇行によって脳幹を圧迫したり、動脈瘤のように破裂したり、脳幹の脳梗塞を起こすことがあります。この傾向はサイズの大きなものほど顕著です。
しかし治療は極めて難しく確立したものは未だありません。血管そのものが拡張するために通常の嚢状動脈瘤のようにクリッピングやコイル塞栓術は困難です。また脳底動脈からは脳幹に多数の細い栄養血管を分枝していて脳底動脈の遮断は脳幹の脳梗塞を引き起こし重篤な後遺症を招く危険性が高いのです。
本研究では、全国の脳血管内治療の主要施設に対してアンケート調査をし、自然歴及び外科的治療の方針、転帰を聴取することで、今後の治療指針に資するデータを提供することを目的としています。
●対象となる患者さん
2010年 1 月 1 日から 2019 年 12 月 31 日の間、当院でVBDと診断され何らかの外科的治療を受けられた方
2010年 1 月 1 日から 2016年 12 月 31 日の間、当院でVBDと診断された方
現在VBDについて当院通院中の方
●研究期間:臨床研究審査委員会承認日から 2021 年 3月 31 日まで。
●使用させていただく診療データ
・年齢、性別
・病名
・既往歴(生活習慣病や脳血管障害など)
・ 並存疾患
・ VBDのサイズ、部位、治療の状況など
・ CT 等の画像
●個人情報の取り扱いと倫理的事項
研究データは、電子メールやインターネットを通じて、又は郵送や FAX 等により研究事務局に送付し解析を行います。患者さんを直接特定できる情報(お名前やカルテ番号など)を削除し匿名化しますので、研究事務局では各医療機関院の個人情報を取り扱うことはありません。
この研究成果は学会や学術雑誌などで発表することがありますが、その場合でも上記のとおり匿名化していますので、患者さんのプライバシーは守られます。なお、この研究は、国の定めた指針に従い、本研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施しています。収集したデータは厳重な管理のもと、当該論文発表後少なくとも10年間保存されます。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば他の研究対象者等の個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内で開示します。該当する患者さんが研究にご自分のデータを使用されたくない場合、その方のデータは使用しませんので、問い合わせ窓口までお知らせください。
●研究資金・利益相反について
本研究は、第36回 NPO 法人日本脳神経血管内治療学会総会(会長:石井暁)の経費を用いて行なわれます。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査・管理しています。
●研究代表機関(情報管理責任者)
京都大学医学部脳神経外科講座
代表者名 石井 暁
住所:京都府京都市左京区聖護院川原町54
電話:075-751-3459
●研究事務局および相談窓口(本研究全般の窓口)
京都大学医学部 脳神経外科講座
住所:京都府京都市左京区聖護院川原町54
電話:075-751-3459
e-mail: jsnet2020@convention.co.jp
●当院における研究責任者および担当者
研究責任者
京都大学医学研究科医学専攻脳病態生理学講座脳神経外科学 講師 石井暁
研究担当者
京都大学医学部附属病院 脳神経外科 助教 菊池隆幸、大川将和
606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
TEL: 075-751-3459 FAX:075-752-9501
● 共同研究期間
日本脳神経血管内治療学会認定専門医在籍施設において研究協力をお願いしています。