小児上衣腫に対する残存腫瘍と組織型でのリスク分類を用いた集学的治療を行う第Ⅱ相試験 JCCG EPN 1501 試 験

脳主幹動脈急性閉塞/狭窄に対するアピキサバンの効果に関する観察研究


1.はじめに
この説明文書は、「小児上衣腫に対する残存腫瘍と組織型でのリスク分類を用いた集学的治療を行う第Ⅱ相試験(JCCG EPN 1501 試験)」への参加に関する説明の理解を補助するために、その概要を記載したものです。
2. 「JCCG EPN 1501 試験」が臨床試験であること
本試験は臨床試験として行います。「臨床試験」とは、新たに考案された治療法などの有効性や安全性について調べる試験のことを指します。効果が期待できると考える治療法について多くの患者さんの協力のもとで、本当に安全で効果があるかを調べたいと考えています。
3. あなた(あなたのお子さん)の病気について
あなた(あなたのお子さん)の病気は頭蓋内上衣腫であることがわかっています。頭蓋内上衣腫は国内で年間約 50-75 人が発症し、長期生存率は約 50-65%前後と考えられています。
頭蓋内上衣腫は、今までいろいろな研究・試験によって、治りやすさ・治りにくさを規定する因子(予後因子)があることが分かっています。海外では、この予後因子(腫瘍の摘出程度、腫瘍の発生部位、病理組織、年齢)によっていくつかのグループに分け、手術・放射線治療・化学療法を必要に応じて組み合わせた治療を行う臨床試験が行われ、治療成績の向上(治った患者さんの割合が増えた)が認められました。
4. 本試験の目的
今まで日本では、上衣腫に対して海外で行われてきたような臨床試験が行われてきませんでした。本試験では、日本での上衣腫に対する治療を統一し、米国で効果が示されている治療が日本でも問題なく行うことができ、かつ、米国と同様の治療効果が確保できるかを確認することを目的としています。
5. 本試験の方法
5.1 グループ分け
本試験では、手術後に予後因子(腫瘍の摘出程度、腫瘍の発生部位、病理組織、年齢)によって、患者さんを3つのグループに分けます。
5.2 治療
グループ分けを行ったのち、それぞれのグループに右図のような治療を行います。
1. Group A:経過観察のみ
2. Group B:放射線治療のみ
3. Group C:まず化学療法。
 化学療法後、再手術で腫瘍が安全に全部 とりきれそうと判断されれば(GroupC-1)、その後再手術と放射線治療。
 化学療法後、再手術で腫瘍が全部とりき るのが難しいと判断されれば(GroupC-2)、その後放射線治療。
5.3 各治療について
①放射線治療(Group B、Group C(C-1、C-2 とも)に対して)
最初に腫瘍があった部分に 33 回に分けて、合計 59.8 Gy(グレイ)の放射線照射を行います。
②化学療法(Group C に対して)
ビンクリスチン、シクロホスファミド、カルボプラチン、エトポシドの点滴を組み合わせた治療を、およそ 1 カ月毎に合計 2 コース行います。
③再手術(Group C-1 に対して)
化学療法 2 コース終了後に残っている腫瘍が、安全に取り切れると判断された場合は、再度手術を行います。
6. 本試験参加に伴って予想される利益と不利益
①予想される利益
本試験に参加されることにより、あなた(あなたのお子さん)が安全でかつ良い治療成績が得られる可能性が期待されます。
②予想される不利益
本試験は、海外の情報から綿密に計画したものですが、従来の治療法での成績を下回る可能性や、予想より強い毒性が生じる危険性はあります。
7. 起こりうる代表的な副作用
①放射線治療:粘膜炎、神経障害(脳神経)、放射線皮膚炎、肝機能障害、腎機能障害、内分泌障害、知能障害、発育障害、不妊、脳壊死、血管障害(いずれも頻度不明)
②化学療法:リンパ球、好中球、白血球、血小板の減少、貧血、食欲不振、全身倦怠感、吐き気、嘔 吐、発熱、感染、脱毛
③再手術:出血・感染など
8. 本試験に参加されない場合の代わりの治療法について
本試験に参加しなかった場合でも、最初の手術での腫瘍の摘出具合によって、放射線治療や再度の手術など追加で行うべき治療を判断し、治療を行います。詳しくは担当医から説明します。
9. 本試験への参加と同意の撤回について
本試験に参加するかどうかは、あなたの自由な意思でお決め下さい。参加されなくても、また、いったん参加に同意していただいた後にその同意を撤回されても、その後の治療において不利益をこうむったりすることは全くありません。
10. 試験治療の中止について
治療中に重篤な副作用が発生したときなど、試験治療を中止する場合があります。
11. あなたに守っていただきたいこと
いつもと体調が違うとき、他の薬や健康食品を使用される場合は必ず担当医師にお伝えください。退院後、外来通院する場合は定期的に来院してください。また、転居される場合はお申し出ください。
12. 健康被害が発生した場合の治療と補償について
本試験に参加することで生じた健康被害に対する金銭面での補償はありません。
13. あなた(あなたのお子さん)の個人情報の保護について
本試験に参加された場合、あなた(あなたのお子さん)の医学的情報はデータセンターに定期的に報告されますが、その際は臨床試験用の番号を用いて行われ、あなた(あなたのお子さん)の個人情報がデータセンターの外部に漏れないよう、最善の努力が図られます。
他の施設の医療関係者が病院長の許可を得てあなた(あなたのお子さん)のカルテなどを閲覧する可能性がありますが、あなた(あなたのお子さん)のプライバシーは厳重に守られます。また、あなた
(あなたのお子さん)の医学的情報が医学雑誌や学会に発表されることがありますが、個人情報は保護され、公の審議機関への提出命令などの場合を除いて公表されることはありません
14.本試験における中央診断について
診断や治療を均質に評価するため、統一した解析方法に基づいて中央診断を行い、診断と治療効果の確認を行います。中央診断を行うにあたっては、あなた(あなたのお子さん)のお子さまの情報が誰のものかわからないように匿名化した番号を用いて行われます。
15. 本試験の研究組織と研究資金源について
本試験は、日本小児がん研究グループ:JCCG(Japan Children’s Cancer Group)が主体となって行っている臨床試験です。また、本試験は日本医療研究開発機構研究費 革新的がん医療実用 化研究事業「小児脳腫瘍に対する多施設共同研究による治療開発」の研究事業として実施され、研究費は研究班によってまかなわれます。
16. 利益相反について
本試験に関して開示すべき利益相反はありません。
17. 本試験参加中の負担について
本試験に参加されたからといって特別に費用負担が増えることはありません。
18. 本試験の審査・承認について
本試験は、開始する前に、日本小児血液・がん学会プロトコール審査委員会の審査・承認を得ています。また、京都大学大学院医学研究科・医学部および医学部附属病院 医の倫理委員会の審査・承認も得た上で実施しています。



【担当者】

京都大学大学院医学研究科 脳神経外科 

【問い合わせ先】荒川芳輝    〒 606-8507   京都市左京区聖護院川原町54   

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