髄芽腫における Gli3 発現の臨床意義の検討

当院で髄芽腫の治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

研究課題名:髄芽腫における Gli3 発現の臨床意義の検討
~ 2000 年 4 月 1 日から 2017 年 3 月 31 日までの手術時に摘出された組織の医学研究への使用のお願い~

【研究の目的について】
髄芽腫は小児の小脳に好発する悪性腫瘍です。これまで 、髄芽 腫の予後予測には Packer の分類( 3 歳未満、転移あり、術後残存病変が 1.5 cm2 以上のうち、ひとつでも有するものを高リスク、それ以外を標準リスクとする)が用いられ、治療の強さが決定されてきました。最近では、遺伝子解析の技術が進歩し髄芽腫が分子学的に異なる 4 群に分類されることが証明され(これ をMAGIC 分類といいます )、髄芽腫が 形成される過程でウイングレス伝達系やソニックヘッジホッグ伝達系と呼ばれる刺激伝達経路が重要な役割を果たすことが明らかになってきました。
本研究の研究者らは 、ソニ ックヘッジホッグ伝達系を調節する分子の一つである Gli3 に着目した髄芽腫の研究を行い、Gli 3 の働きによって髄芽腫を構成する未熟な細胞が神経細胞やグリア細胞へ成熟すること、 Gli 3 によって神経 細胞への成熟傾向を示す髄芽腫が予後良好である可能性を示しまし た( 宮原ら、Neuropathology、 2014 年 )。
本研究では 、当院 を含む 、全国の賛 同を得られた医療研究施設から髄芽腫の症例を集めて、本研究の研究者らが過去の研究で得た知見を再検証します。
具体的には、①髄芽腫における Gli3 の発現と患者さんの予後との関連、 ② Gli3 が髄芽腫の治療戦略を決定するうえでの指標となりうるか 、③ MAGIC 分類における Gli3 の位置づけ、を明らかにして、将来的には Gli3 が髄芽腫の予後予測や分子標的療法に用いられることを目指しています。

【使用させていただく組織(試料 )・ 情報等について】
当院において、2000 年~ 2017 年に、髄芽腫と診断された患者さんの、手術で摘出された組 織(試料 )や 診療情報などを医学研究に応用させていただきたいと思います。
具体的には、摘出組織は、腫瘍の特性などを分析するため、大分大学に提供させていただきます。
また 、腫 瘍組織を調べた結果と臨床情 報(例 えば治療効果がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(カルテやレントゲン写真など)も提供させていただきます。

組織や情報を提供する際には 、患者 さんを特定する情報を匿名化(患者さんのお名前など 、個 人を特定できる情報を記号や番号などに置き換えます)することで 、個人情報 の保護に務めます。また本研究の実施過程およびその結果を学会や論文などで公表する際には 、患 者さんを特定できる情報は一切含まれません。
患者さんの腫瘍組織(試料)及び診療記録( カルテ)を使用させていただきますことを含めて、本研究計画は、当院の医の倫理委員会にて審査され、医療機関の長の許可を得た上で実施します。
また 、本研 究は 、国の 定め た「人 を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく組織(試料 )・ 情報等の保存等について】
大分大学に送付された腫瘍組 織(試 料 )の保 存は論文発表後 5 年間を基本としており、保存期間終了後は、腫瘍組織(試料)を焼却処分します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は5 年間を超えて保存させていただきます。 また、患者さんの診療情報については、論文発表後
10 年間保存し、保存期間終了後はデータが復元できない処理を施した上で廃棄します。
『京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第7 条第 2項の研究データの保存、開示等について定める件 平成 27 年 7 月 30 日 研究担当理事裁定制定』の規定により、京大病院で保存するデータ、各種記録の保存期間は当該論文等の発表後少なくとも 10 年とします。

【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり 、利益が生 まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】
本研究においては ,公的な資 金である大分大学医学部小児科学講座の基盤研究経費ならびに寄付金を用いて研究が行われ ,患者さん の費用負担はありません。

【利益相反について】
本研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません 。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指 し, 金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。
また、当院では、利益相反について 、「京都大 学利益相反ポリシー 」「京都 大学利益相反マネジメント規程」に従い 、「京都大学臨床研究利益相反審査 委員会」において適切に審査・ 管理しています。

【研究の参加等について】
患者さんの腫瘍組織(試料)や診療情報などを、本研究に使用することについて 、患 者さん・ご家族の方にご了承いただけない場合は研究対象とは致しませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合も患者さんに不利益が生じることはありません。

【研究期間について】
倫理委員会承認日から 2020 年 3 月 31 日まで。

【問合せ先】
ご希望があれば 、他 の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で 、研究 計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出ください。
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問合せください。
問合せ先および研究への利用を拒否する場合の連絡先: 京都大学医学部附属病院 脳神経外科 荒川 芳輝
〒 606-8507 京都市左京区聖護院川原町 54
TEL: 075 – 366-7776 、 FAX: 075 – 752- 9501
相談窓口:
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
TEL: 075 – 751-4748 E-mail: ctsodan@ kuhp.kyoto- u.ac. jp

【研究責任者】
大分大学医学部小児科学講座講師宮原弘明( みやはらひろあき)
879 -5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘 1-1
電話番号 097 -586 -5833