京都大学医学部付属病院 脳神経外科交流センター

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女性医師のキャリアアップ

脳神経外科医として活躍する先輩たちからのメッセージを紹介します。

信愛会脊椎脊髄センター 交野病院 医長
福田 美雪

Q1 脳神経外科を専門に選ぶ上での魅力は何ですか

脳神経外科は専門性が高く、他の科のドクターでは対応できない疾患が多いところが格好良くて魅力です。
緊急事態にあたって迅速な判断が求められる場面も多く、スリルと達成感があります。全身管理を必要とする患者さんも多いため、脳神経外科医は間違いなく全身管理能力もピカイチだと思います。
ダイナミックな対応が必要でありつつ、いざ手術では非常に繊細。この二面性が脳神経外科の魅力と思います。

Q2 子育てと脳神経外科の仕事を両立するための具体的なアドバイスはありますか?

医師の仕事と子育てとの両立には、家族やパートナーとの協力体制は必須です。また院内保育所や病児保育など、職場での育児支援は病院の規模などによってさまざまなので、入職を考える時点から入念な下調べが必要です。
育児休暇や時短勤務を活用するには、人員にゆとりのある施設の方が融通がききやすいです。子供の病気や天災などで親が急に勤務できなくなる事は実際たくさんありますので、スタッフ間で連絡がスムーズにでき、外来や手術のスタッフ配置の変更が速やかにできるように当院ではグループラインを使って調整しています。スタッフ間の助け合いはおたがいさまなので、日頃から良い関係性を作っておきましょう。子供の成長はあっという間です。保育施設や学校の行事は数ヶ月前にはわかっていますので、お父さんもお母さんもしっかり予定を把握して調整し、子供の貴重な姿を見ることができるといいですね。

Q3 現在の仕事内容について教えてください

私は脳神経外科のサブスペシャリティとして脊椎外科を専門としており、日本脊髄外科学会の技術指導医 女性第一号です。毎日大好きな手術をして、患者さんが良くなって喜んでくれるのがとても楽しくやりがいがあります。素晴らしい先輩に恵まれ、また後輩がどんどん術者として成長してくれるのも嬉しいです。
脳神経外科だけでなく、同じく脊椎疾患を扱う整形外科との合同学会での発表も積極的に行なっており、女性脊椎外科医のパイオニアとしての意見を求められる事も多いです。

Q4 後輩たちに伝えたい、脳神経外科医としてのやりがいは何ですか?また脳神経外科医を目指すために必要な資質やスキルを教えてください。

手術で命を救ったり、手術によって患者が再び日常生活や社会生活を送れるようになる瞬間は、非常に感動的で大きな達成感があり、やりがいに満ちています。 好きな仕事でずっと面白みが続かなければ一生続けるのは難しいと思いますが、その点脳神経外科領域は広く深いので、常に新しい知識や技術を学び続けることで、自身のスキルを高め続けることができる点もやりがいの一つです。人が人である要とも言える脳や脊髄を手術するのですから高い技術力と知識は当然必要で、継続的な学習意欲と自己研鑽を続ける姿勢は脳神経外科医として重要な資質です。


顕微鏡を用いた脊椎手術

外視鏡を用いた脊椎手術